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貸金業法の重要なポイントまとめ|改正・総量規制・違反など

2016/07/12 基礎知識
この記事は約 10 分で読めます。

平成18年12月以前は、消費者金融と債務者の間でトラブルが非常に多く、社会問題にまで発展していました。特に完全に返済能力を超えた額の借金を抱える、多重債務問題は深刻化していました。

そんな状況を改善するべく、貸金業法が改善され、現在の形になりました。損をしないため、トラブルに巻き込まれないためにも現在の貸金業法と、過去に起きた問題を知っておくことは大切です。貸金業法で重要なポイントをまとめているので、貸金業者を利用している、今後利用する方は、身を守るためにも概要だけでも押さえておくことが大切です。

貸金業法とは

まず貸金業法とはどのようなものなのかをご説明します。

貸金業法は、消費者金融などの貸金業者や、貸金業者からの借入れについて定めている法律です。 近年、返済しきれないほどの借金を抱えてしまう「多重債務者」の増加が、深刻な社会問題(「多重債務問題」)となったことから、これを解決するため、平成18年、従来の法律が抜本的に改正され、この貸金業法がつくられました。

これは、金融庁のホームページに記載されている、貸金業法の概要です。現在の貸金業法は、平成18年12月に成立され、平成22年6月18日に完全施行となったものです。それ以前のものと比べて、金融機関がお金を貸すときの審査や融資額、金利の基準を厳しく設けて、返済できない借金を作ってしまう人を減らすという目的のもとに作られています。

対象者は貸金業者のみ

貸金業法の対象になるのは、消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者です。同じように融資を行っていても、銀行や、信用金庫、信用組合、労働金庫は、貸金業者ではないので、この法律の対象外となります。同じような事業を行っていますが、銀行は銀行法という法律の下で融資を行っています。

ここで大きな差になってくるのが、総量規制です。総量規制は年収の3分の1以上の借り入れを禁止するという法律です。これは貸金業法にある法律で、銀行法にはありません。つまり、貸金業者は年収の3分の1以上の融資はできませんが、銀行は可能という事になるのです。貸金業法の方が銀行法よりも厳しい基準が設定されています。

なぜ同じような事業なのに、貸金業者には厳しく、銀行には優しい規制になっているのかという疑問があるかもしれません。現在の貸金業法は、消費者金融の高い金利と、厳しい取り立てが問題となって作られたものです。ですので、消費者金融を中心とする貸金業者が対象になっています。一方、もともと旧大蔵省の支配下で、国の財源を動かしてきた銀行に対しては国としても高い信頼を置いています。

銀行法という別の法律で、経営全体を監督する代わりに、貸金業法にある融資に関する厳しい規制もないという事になっています。ちなみに、クレジットカードのキャッシングは貸金業法ですが、ショッピングは貸金業法の対象には入っていません。また返済のみに使うおまとめローンだけは、貸金業者から借りても総量規制の対象外になるという例外的なケースもあります。

新しい貸金業法のポイント「貸金業者への規制強化」

現在施行されている、貸金業法が従来のものと大きく変わったところをご紹介します。現在の貸金業法の最重要事項です。これからご紹介する項目は、貸金業法のなかで、お金を借りようと考えている方に最も影響があります。融資が降りるかどうか、金利はどのように変わったか、そして過払い金請求にまで影響してくる部分になります。

総量規制

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新しく採用された、改正貸金業法の中の最重要項目ともいえる部分です。それまで上限がなかった個人の借入額に「年収の三分の一」という縛りを設けました。これにより、収入から考えて、返済が困難であることが予想されるような、高額な融資をすることが出来なくなりました。

とはいえ、最近の銀行系カードローンは金利も比較的低めで、利便性が高く、使いやすいものが増えています。消費者金融やクレジットカード会社にとっては大きな痛手となりましたが、総量規制で審査を受けられなくなった方は、銀行系カードローンに移行する人が増えています。

結局銀行で借りるなら意味がないのでは?と考えてしまいますが、この規制の意味は、銀行系のローンの審査で、返済能力がないと判断された方に、消費者金融が無理な融資を行うことが出来なくなったという点にあります。

上限金利の引き下げ

現在の貸金業法は、過去の物から上限金利が引き下げられ、現在はすべての消費者金融がその範囲内で事業を行っています。ですが改正前に、消費者金融を利用したことが有る方は、過払い金を払っている可能性があります。さらに、現在も改正前の金利で引き続き支払いをしている方もいらっしゃいます。返済中、完済済み関わらず金利が変わったことは知っておいた方が良いでしょう。

貸金業法が改正されるまで、金利は「利息制限法」「出資法」という2つの法律によって定められていました。「出資法」は、年利29.2%を上限として、それ以上の金利は刑事罰の対象、「利息制限法」は、10万円未満の借り入れは年利20%、10万円以上100万円は年利18%、100万円以上は年利15%という上限が課されていました。しかし実際は、利息制限法以上の金利でも、出資法で定められた29.2%以下の金利なら処罰の対象とならないという状況が続いていました。

その「利息制限法」以上、「出資法」未満の間の金利を、グレーゾーン金利と呼んでいました。

【みなし弁済】

利息制限法で定められた金利以上で、出資法の制限である29.2%の間のグレーゾーン金利。これは法律を制定した時のミスと言わざるをえないものでした。金利の上限が2つ定められていて、そこに差があるというのはどう考えてもおかしな現象です。そのため、グレーゾーン金利が適用されるには一定の条件がありました。それが貸金業法 43条に制定されていたみなし弁済規定というものです。みなし弁済規定は以下の条件を満たせば、グレーゾーン金利が適用できるというものでした。

  • 貸主(お金を貸す側)が「貸金業登録業者」
  • 借主(債務者)が利息として支払う
  • 借主が利息として任意(自分の意思)で支払っている
  • 「契約証書(17条書面)」を交付
  • 「受取証書(18条書面)」を交付

少しややこしいですが、要するに正式に登録をしている「ヤミ金」ではない業者である事。そして債務者が、自分の意志で支払っているという条件下ならグレーゾーン金利を適用しても良いというものです。簡単に言うと、債務者にはグレーゾーン金利を拒否する権利があったのです。

ですが、実際には法律を細かく調べて、拒否する権利があることを理解して、それを業者に対して行使できる人なんてほとんどいません。請求された金利が適正なものだと信じて支払うのが普通です。もし何かトラブルになったとしても、債務者が「任意で」支払っていたという事で済まされてしまう法律だったわけです。

消費者の心理を考えると、事実上誰でも払うように作られていたといわざるを得ない法律でした。

グレーゾーン金利の廃止

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しかし、債務者に厳しい法律だったグレーゾーン金利とみなし弁済規定は、次第にトラブルを起こすようになりました。そして平成18年1月13日の最高裁での裁判で、事実上、この裁判でみなし弁済規定が完全否定されたといえる判決が出ました。これまでのみなし弁済は債務者が「知らない」「誤解している」ということを逆手にとって行われていました。

ですが、この裁判で本当に「自らの意志で」グレーゾーン金利を支払っているといえない場合は、全てみなし弁済が適用されないという判決が下されました。実際に自分の意志で、不必要な金利を支払う人はいません。事実上、みなし弁済が無力化した瞬間となりました。

改正貸金業法ではみなし弁済規定がなくなりました。そして利息制限法での金利が上限金利として正式に定められました。現在のテレビCMなどで良く目にするようになった過払い金請求は、このグレーゾーン金利で支払ったお金を回収することです。

現在の適正な利息は、10万円未満の借り入れは年利20%、10万円以上100万円は年利18%、100万円以上は年利15%と覚えておきましょう。

専業主婦/主夫は配偶者の同意があれば借り入れが出来る(配偶者貸付)

総量規制によって、収入のない専業主婦(主夫)への貸付はできなくなりました。ですが、配偶者の同意書と婚姻関係を示す書類があれば、配偶者と合算で総量規制が適用されるというシステムが導入されています。つまり夫婦二人分に対して総量規制が適用されるというシステムです。

同意なく勝手に借りることはできなくなりましたが、同意があれば夫婦の収入として融資を受けることは可能です。業者によって専業主婦への融資を行わないとしているところもありますが、法律上は専業主婦の方にも貸出が可能です。

金額によって収入証明が必要に

より正確に、返済能力を判断するために50万円以上の貸し付けに対しては、収入証明が必要になりました。これにより貸金業法の対象にならない銀行系カードローンは現在も300万円以下の融資には収入証明が不要で、手続きが楽だという利点が生まれました。

個人事業主は決算書が必要に

公務員や会社員よりも収入が不安定な個人事業主の方は、融資を受ける際に決算書が必要になりました。

信用情報の登録が行われる

信用情報も非常に厳しく管理されるようになりました。借入額や、借入日、返済額、残高、延滞の記録など、事細かに信用情報機関に記録されるようになり、さらに融資をする際には、それらの情報を細かくチェックして審査が行われるようになりました。消費者金融、銀行などにかかわらず、返済能力を判断するための、借り入れ記録はすべての金融機関で共有されるようになったので、審査の精度が大きく高まりました。

しかも最近は、奨学金の延滞や携帯電話の分割支払いの記録も信用情報として保存されるようになっているので、貸金業者からの借り入れ以外の情報も管理されています。

必要以上の厳しい取り立ては厳しく処罰されるように

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貸金業法改正前は、中小消費者金融やテレビCMなどで誰でも知っているような大手の消費者金融でも、返済をしない人に対しては、厳しい取り立てが行われていました。今でも消費者金融に怖いイメージを持っていたり、名前を知らない中小貸金業者に対してヤミ金ではないかと疑いを持ってしまうのは、この時代の取り立ての影響でしょう。

現在の貸金業法では、違法な取り立てに対して厳しい処罰が設けられています。さらに正当な理由なく、午前9時~午後8時以外の時間帯に電話や訪問をしてはいけない、理由なく勤務先に電話してはいけない、等の厳しい規制を設けています。これ等の規則を制定している貸金業法21条に違反する行為を行った場合は、すぐに業務停止命令が出るなどの厳しい処罰があるので、貸金業者側も、法律だけじゃなく、自社でより厳しい規則を設けているところが多くなっています。

  • 住居侵入罪     許可なく住居に入ってくる
  • 不退去罪     帰るように促しても、居座る
  • 恐喝罪     怒鳴る、暴れるなど、恐怖感をあおる
  • 強要罪     他で借りてこいなど、義務のない事の強要
  • 監禁罪    債務者や関係者を閉じ込める
  • 業務妨害罪     職場への電話、取り立てなど
  • 器物損壊罪     家や車、職場のものに対して落書きや破壊行為を行う

このような悪質な取り立てに対しては、非常に厳しい処罰がおこなわれるようになっています。適正な取り立てでない場合、すぐに警察に通報することが大切です。

個人の貸し借りにも注意!貸金業法違反で逮捕される可能性

貸金業法の規制が厳しくなったことにより、個人間のお金のトラブルで逮捕されるというトラブルも発生しいています。届出をせずに貸金業を行う事は当然、法律違反です。ですが、これだけじゃなく個人間のお金の貸し借りでも、違法という判断が下される場合があります。

実例が多いケースで言うと、複数の友人にお金を貸している、そして気持ちという事で利子をつけて返してもらっているというケースです。複数人にお金を貸して、利息を受け取っている場合、厳密には無許可での貸金業の営業になります。本人たちの間で完結してしまえば、問題ありませんが、借りた側が利息を取られたなどの理由で警察に届け出ることが有ります。

こうなると無許可営業、違法な取り立てなどを事細かに調べ、裁判をしなければならないケースが出てきます。貸した方は善意でやっていても、返済をしたくないがために警察に届け出るというパターンがあります。個人間のお金の貸し借りにも気をつけなければなりません。複数人にお金を貸す、そして利息をもらうという行為はトラブルになりうるので極力避けるようにしなければなりません。

まとめ:騙されないために、貸金業法の概要を理解しておきましょう

現在の貸金業法は、債務者を守るために細かく改良がくわえられたものです。さまざまなトラブルをもとに修正されてきたもので、貸金業者と債務者の双方を保護する役割を担っています。多くの失敗から作られた法律なので、法律を守るというだけではなく、お金の貸し借りのトラブルを防ぐ最良のルールとして制定されています。

貸金業者を利用するときには、適正な金利・総量規制・取り立てのルールなど、貸金業法に関する最低限の知識を持っていることで、自分の身を守ることが出来ます。トラブルから身を守るだけでなく、損をしないためにもある概要は理解しておくことをおすすめします。

 

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ライター紹介

クレ男@編集長

クレ男@編集長

クレジットカードを始め、共通ポイントカードなど、お得なカード活用法について詳しい、32歳独身。「カードのお得な使い方について教えてあげるよ」という口説き文句で女性を2人きりのデートに誘うことが得意。不得意なことは、その後に仲を深めていくこと。家庭教師のアルバイト経験から、何かを分かりやすく解説することは得意。将来の夢は無料で教える学習塾を開くこと。

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